女性のための総合内科
(女性内科)
女性のための総合内科は、すべての世代の女性が、女性ならではの病気や症状を安心して相談できるように、当院では、総合内科専門医の女性の院長が診療をしております。一般的に女性特有の病気というと、婦人科と思う方も多いと思いますが、女性ホルモンとの関連の強い「骨粗しょう症」や「脂質異常症」といった病気や、出産にともなう「高血圧」や「痔」などのお悩みについては、内科的な治療も必要とされます。
当院では、西洋医学的な治療に加えて、東洋医学の漢方も採り入れた治療をしております。特に、更年期前後では女性ホルモンのバランスの変化に応じて、乳がんや各種更年期症状の予防に効果があると考えられているエクオール(大豆由来のエストロゲン近似物質)投与などの治療にも対応しておりますので、女性特有の症状や困りごとなどがありましたら、些細なことでもご相談ください。
こんな症状やお悩みは
ありませんか?
- 生理が近くなるとムカムカする
- 常にお腹が張って苦しい
- 妊娠中、お尻から血が出た
- 産後に胃がキリキリと痛む
- 更年期によるものか、胃がもたれる
- 食生活は変わっていないのに、コレステロールが高いと言われた
- 今まで血圧が低かったのに、高くなってきた
- いろいろ試してはいるものの、便秘が改善されない
など
女性ホルモンについて
女性ホルモンは、骨の健康、コレステロールの調整、肌のハリの維持など、女性の体を内側から守る大切な役割を果たしています。女性ホルモンの分泌は30代でピークを迎え、その後は徐々に減少していきます。そして、閉経前の45歳ごろから急激に減るため、更年期を迎える頃には心や体にさまざまな変化や不調が現れやすくなります。具体的には、骨密度が低下して骨折しやすくなったり(骨粗しょう症)、コレステロール値が上がりやすくなったり、基礎代謝が落ちて体重が増えやすくなったりなどの変化が起こります。
更年期症状・更年期障害
について
女性の性ホルモンのバランスは、閉経とともに大きく変化します。その変化に個人差はありますが、一般的に閉経の5年ほど前から女性ホルモンの分泌は大きく揺らぎながらゆっくり低下を始め、閉経に至り、その後5年ほどをかけてゆっくりとその状態に身体が慣れていくとされており、閉経を中心にした10年間を「更年期」と呼んでいます。(一般的には45歳から55歳の間)女性ホルモンの変化を原因としてあらわれる様々な症状を「更年期症状」と言い、更年期症状が日常生活に支障を来すほどになると「更年期障害」という病気になります。この時期を迎えた女性のうち、半数以上の方が何らかの更年期症状に悩まされ、2~3割の方は何らかの治療を必要とする(更年期障害)という報告もあります。
症状も人によって大きく異なりますが、ほてりやのぼせ、多汗などのホットフラッシュ、皮膚の乾燥、肩こり、手指の関節痛などの身体症状、吐き気や膨満感などの胃腸症状、イライラ、落ち込み、うつ、不眠などの精神症状が主なものです。
30代後半から50代にかけては、仕事において責任も重くなっていき、家庭では子育てや親世代の介護など、人生のうちでも多くのイベントが集中する時期になり、それに更年期が重なるため、女性にとって身体も心も辛い時期にあたります。
更年期症状・更年期障害
の漢方治療
人はそれぞれ体質、体力などが異なり、同じ病気でも症状の現れ方が異なります。これを漢方では「証(しょう)」と言い、同じ病気でもそれぞれの患者様の証にあわせて異なる処方を行い、患者様本来の自然に治ろうとする力を引き出していきます。女性の更年期症状は、まさに人によって異なり、こうした漢方の考え方が適しているとされます。
当院では、お一人おひとりに合わせて、西洋医学だけでなく、東洋医学(漢方治療)も取り入れながら、お悩みが改善できるようサポートいたします。
※ホルモン補充療法には対応していません。
プレ更年期
(30代後半から)
まだ更年期には少し早い時期(30代の後半から40歳の初め頃)にも、更年期のような症状が現れ、「もう更年期が始まってしまったのだろうか」と悩まれる方もいらっしゃいます。これはプレ更年期と言って、多くの場合、卵巣機能の低下によるホルモン異常というよりは、仕事や日常生活のストレスによって自律神経が障害されることで起こっているケースが多くなっています。
更年期
(一般的に45歳以降)
ホルモン補充療法よりも、更年期の精神症状(抑うつ、イライラ、落ち込み、不眠)に対しては漢方薬が優れているとされています。ホルモン補充療法の副作用が強く現れやすい方や、症状が複合的な方などは、ご相談ください。
漢方薬の一例
婦人科三大漢方と呼ばれる、当帰芍薬散や加味逍遙散、桂枝茯苓丸の他に、桃核承気湯など、患者様の症状に合わせて処方いたします。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
更年期症状全般、疲労感、倦怠感、冷え、貧血症状、めまい、頭重など - 加味逍遙散(かみしょうようさん)
ホルモンバランスの乱れによる不眠、不定愁訴、イライラなどの精神症状、肩こりなど - 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
肩こり、頭重、多汗、ホットフラッシュなど - 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
のぼせがあり便秘がち、イライラするといった精神症状など