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大腸ポリープ切除

大腸ポリープとは?

ポリープとは、皮膚や粘膜の表面にできる小さな盛り上がったできものの総称です。そのうち、大腸の内側(粘膜)にできるものを「大腸ポリープ」と呼びます。大腸ポリープは特に直腸やS状結腸といった大腸の出口付近にできやすい傾向があります。
大腸ポリープにはいくつかの種類がありますが、大きく分けると、腫瘍性と非腫瘍性の2つに分類されます。このうち、腫瘍性ポリープの大半(約85%)を占めるのが「腺腫」です。腺腫は良性のポリープですが、放置すると時間の経過とともに大きくなり、がん化するリスクがあることがわかっています。そのため、定期的に大腸カメラ検査を受け、良性のうちに発見して切除することで、大腸がんの予防につながります。

大腸ポリープ切除とは?

大腸ポリープ切除とは?大腸カメラ検査は、スコープの先端に処置用の器具を装着して行うため、検査中に大腸ポリープを発見した場合は、その場で切除が可能です。当院でも大腸ポリープの切除は可能ですが、ポリープがかなり大きくなっている、数が多いといった場合には、出血のリスクを考慮し、入院が必要となります。その場合は、連携する医療施設を紹介して、治療を受けていただけるようにします。
当院で行うポリープ切除の場合、日帰り手術となり入院の必要はありませんが、検査当日や検査1週間後までは、食事や飲酒、入浴、運動、遠距離の移動などいくつかの注意事項がありますので、検査終了後に詳しく説明いたします。

大腸ポリープの症状

大腸ポリープがあっても、初期の段階では自覚症状があらわれることは、ほとんどありません。ポリープがかなり大きくなると、便秘や、便秘で硬くなった便がこすれてわずかに出血することもありますが、そうした症状があらわれることは稀です。健康診断の便潜血検査でも、陽性になることは多くありません。大腸ポリープは、腹部超音波検査やレントゲン検査でも見つけにくく、定期的な大腸カメラ検査によって見つけることが一番確実な方法です。見つけたポリープは良性のうちに切除しておくことによって、将来のがん化の予防となります。

大腸ポリープの切除方法

大腸ポリープのサイズの大小や、茎(ポリープと腸壁をつないでいる薄い組織片)の有無などで、切除方法が異なり、ポリープの状態にあわせて最適な方法で行います。

コールドポリペクトミー

コールドポリペクトミースコープの先端には、スネアという投げ縄状の金属の輪がついており、その輪をポリープの茎にかけて、そのまま引き切ります。スネアは電気メスの役割も果たし、先端に通電できるのですが、それを使わずに取り除くことで、粘膜以下の組織にダメージを与えず合併症の少ない切除が可能です。

コールドポリペクトミー

ホットポリペクトミー

ホットポリペクトミーは、単にポリペクトミーとも言い、ポリープの茎に掛けたスネアに高周波の電流を通してポリープを焼き切る方法です。ポリープのサイズが大きいなど、コールドポリペクトミーが難しい場合に行う方法ですが、高周波電流の影響が粘膜以下の腸管組織にもダメージを与えやすいため、出血や腹痛といった術後の合併症を起こしやすいのがデメリットです。当院ではこうした合併症をできる限り減らせるよう、必要最小限の電流を使用しています。

内視鏡的粘膜切除術

内視鏡的粘膜切除術茎の無いポリープであったり、大腸がん細胞の発生が疑われるようなケースであったりと、通常のポリペクトミーでは切除が難しいポリープに使用する方法です。ポリープ直下の粘膜の下へ生理食塩水を注入し、ポリープを浮かせてスネアをかけ、電流を通してポリープを焼き切ります。生理食塩水が緩衝地帯になり、高周波の熱の影響が腸管下層に伝わりにくい方法ですが、傷口はやや大きめになるため、必要に応じて止血クリップで止めて留置します。クリップはしばらくすると自然に剥がれて便とともに排出されます。

内視鏡的粘膜切除術

大腸ポリープ切除後の注意点

大腸ポリープの切除後は必ず守っていただきたい注意点があります。1週間程度、行動の制約がありますので、お仕事や旅行などのスケジュールは十分ご検討の上、大腸カメラ検査の日程をお決めください。制約については、以下の通りですが、詳細につきましては、検査当日に説明いたします。


ご帰宅後の過ごし方

入浴

切除当日の入浴はお控えいただき、シャワーで軽く流す程度にしてください。また、翌日からも長湯やサウナなどお腹を温めすぎる行為は1週間程度お控えください。

食事

切除当日のお食事は、消化の良い柔らかいものなどを中心にしてください。

飲酒

お酒は出血のリスクを高めますので、切除後1週間程度はお控えください。

運動

激しい運動(腹筋の筋トレ、ゴルフ等お腹に力が入るもの)は、切除後1週間程度はお控えください。

出張・旅行

切除後の急な再出血などに対応できるよう、1週間程度は長距離の出張やご旅行、ご自身での長時間の運転などはお控えください。特に、飛行機は急激な気圧の変化により出血のリスクが高まりますので、お控えください。