内科（予防接種）

高血圧症

血圧とは、心臓が血液を全身に送るときに、血管にかかる「押し出す力」のことです。心臓がぎゅっと縮んで血液を送り出すときに血圧は高くなります。（これを「収縮期血圧」「上の血圧」と呼びます。）逆に、心臓に血液が返ってきて、次に送り出す血液をためている時に血圧は低くなります（これを「拡張期血圧」「下の血圧」と呼びます）。血圧の強さは「mmHg」という単位で表します。

この血圧がいつも高い状態のことを「高血圧」といいます。血管に強い圧力がかかり続けることで、血管が少しずつ硬くなり（これを「動脈硬化」といいます）、心臓や脳、腎臓などに悪い影響が出ることがあります。高血圧によって体に不調が現れてくると、「高血圧症」と診断されます。

血圧は、時間帯や体調、運動、食事の影響で変動しやすく、1回の数値だけで判断できませんが、医療機関で血圧を測ったときに「140/90mmHg」以上だったり、自宅でいつも測っている値が「135/85mmHg」以上続いている場合は、高血圧の可能性があります。高血圧そのものには自覚症状がほとんどありませんが、放っておくと心臓病や脳卒中など、重い病気につながるリスクがあるため、血圧のコントロールが大切です。

高血圧のほとんどは、生活習慣（食事、運動、ストレス、睡眠など）が関係しています。原因がはっきりしている場合は、その病気の治療が必要になりますが、多くの場合は生活習慣を見直したり、お薬を使って血圧を下げていきます。当院では、生活習慣の改善から薬物療法まで、患者様の状態に合わせて最適な治療をしておりますので、血圧が高くてお悩みの方はお気軽にご相談ください。

脂質異常症

血液の中には、体にとって必要な「脂質」がいくつか含まれています。中でも大切なのが、体を動かすエネルギー源である「中性脂肪（トリグリセライド）」や、中性脂肪を体のすみずみに運ぶ「LDL（悪玉）コレステロール」、余った脂質を回収して肝臓や筋肉に届ける「HDL（善玉）コレステロール」の3種類です。どれも大切な栄養分ですが、そのバランスが大切です。

血中の脂質は血液1dLに何mg含まれているかをmg/dLという単位で表し、

• LDLコレステロールは140mg/dL以上
• 中性脂肪は150mg/dL以上
• HDLコレステロールは40mg/dL以下、のいずれか、

または複数が当てはまる場合、「脂質異常症」と診断されます。

脂質が多すぎる状態が続くと、血液はドロドロの状態になり、内側に脂がたまりやすくなります。その結果、動脈硬化や血栓ができやすい状態となり、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気につながる危険性があります。しかし、脂質異常症は、ほとんどの場合、自覚症状が無く、重篤な合併症を起こすまで放置しがちな病気の1つです。
遺伝的な要素や何らかの病気が原因のこともありますが、ほとんどの場合、生活習慣、特に食生活や運動不足から起こることが多いとされています。患者様の状態によって、生活習慣の改善（食事療法・運動療法）を試み、それでもコントロールが難しい場合、薬物療法をしていくことになります。健康診断などで脂質異常を指摘された場合、放置せず、一度当院にご相談ください。

糖尿病

糖尿病とは、血液の中のブドウ糖（エネルギーのもと）の量が常に高い状態が続く病気です。私たちの体は、炭水化物や砂糖など食事で摂った糖をエネルギーに変えるために、インスリンというホルモンを使って血糖値をコントロールしています。しかし、糖尿病になると、このインスリンの働きが弱くなったり、分泌される量が足りなくなったりして、血糖値が上手く下がらなくなります。血糖値が高い状態が続くと、自覚症状がないまま体の中の血管にダメージを与え、目が見えにくくなったり（糖尿病網膜症）、腎臓が悪くなったり（糖尿病腎症）、手足がしびれたり（糖尿病神経障害）といった「糖尿病の三大合併症」と呼ばれる重い病気を引き起こすことがあります。さらに進行すると、心筋梗塞や脳梗塞、足の切断が必要になるケースもあるため、早めの発見と継続的な治療がとても大切です。

糖尿病にはいくつか種類がありますが、9割以上は「2型糖尿病」で、主に生活習慣（食べすぎ、運動不足、肥満、ストレスなど）が関係しています。初期のうちはほとんど症状がないため、「健康診断で血糖が高いことを指摘された」「なんとなくだるい」「のどが常に渇く」「体重が急に減る」「トイレが近くなる」といったサインを見逃さないことが大切です。当院では、日々の食事や運動を一緒に見直す生活指導から、必要な場合にはお薬の治療まで、患者様一人ひとりに合わせた丁寧なサポートをしております。「糖尿病かも…？」と心配な方も、すでに治療をされている方も、お気軽にご相談ください。

高尿酸血症／痛風

尿酸は、体の中で作られる成分で、一定量までは体に蓄えられています。余分な尿酸は、腎臓でろ過されて尿として排泄される仕組みになっています。この尿酸が何らかの原因でうまく排泄できなくなると、血液の中に尿酸がたまりすぎてしまいます。血中の尿酸値が7.0mg/dLを超えると、「高尿酸血症」と診断されます。この状態が続くと、尿酸が結晶となって関節などに溜まりやすくなります。その結晶を体が異物と判断して攻撃することで炎症が起き、激しい痛みを伴う「痛風発作」が起こります。特に足の親指の付け根などに、突然強い痛みが出ることが多く、歩けないほどのつらさを感じることもあります。痛風発作の痛みは時間が経つとおさまることもありますが、放置すると、腎臓や血管に悪影響を与えたり、尿路結石の原因になったりすることがあります。そのため、きちんとした治療と生活管理が必要です。

血中尿酸値が8.0mg/dL未満（基礎疾患のない方は9.0mg/dL未満）であれば、まずは食事や運動など生活習慣の改善からスタートします。尿酸のもとになる「プリン体」は、レバーや魚卵、干物、お酒などに多く含まれるため、こうした食品を控えることが大切です。それでも改善が難しい場合は、尿酸値を下げる薬などを中心に薬物療法を行います。また、痛風発作が起こっている間は、急激に尿酸値を下げることで症状を悪化させてしまうため、鎮痛薬などによる対症療法を行います。
当院では、患者さんの状態に合わせて、無理のない治療方法を提案しております。尿酸値が高めと言われた方、急に足の親指に痛みが生じた方は、ご相談ください。