消化器とは、食べ物の摂取から消化・吸収・排泄までの一連のプロセスに関わる臓器群の総称です。大きく分けると、「消化管」と「消化付属器官」の2つに分類されます。
消化管は、口から始まり、のど、食道、胃、小腸(十二指腸・空腸・回腸)、大腸(盲腸・結腸・直腸)を経て、最終的に肛門に至る一本の長い管状構造です。この管を通じて食物は運ばれ、分解・吸収され、最終的に不要物として排泄されます。
消化付属器官には、肝臓・胆のう・膵臓・脾臓などがあり、これらは消化管と直接つながってはいませんが、消化酵素や胆汁などを分泌することで、食物の分解と吸収を助ける重要な働きを担っています。
この消化器全体を総合的に診療するのが消化器内科の役割です。当院では、日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医・日本肝臓学会専門医の院長が診療をしております。消化器の症状は、「お腹が痛い」「下痢・便秘」「食欲がない」などの軽い症状から始まることが多く、初期段階では深刻な病気と気づかれにくいのが特徴です。しかし、胃がんや大腸がんなどの重篤な疾患も含まれるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。少しでも気になることがある場合や症状が改善しない場合は、一度ご相談ください。
こんな症状やお悩みは
ありませんか?
- 胃がもたれる、胸やけがある
(胃の不調) - のどに違和感がある、のどがつかえる感じがする
- 胃(みぞおちの周辺)が痛い
- ムカムカする、吐いてしまった
- お腹が痛い、お腹が張る・ガスがたまる
- 便秘が続く
- 下痢(軟便)が続く
- 便秘と下痢を繰り返す
- 食欲がない、体重が減ってきた
- 便が細い、便に血が混ざっている、
便が黒い
など
よくある消化器の疾患
内視鏡検査について
胃カメラ検査とは
胃カメラ検査は、正確には「上部消化管内視鏡検査」と言って、鼻や口からスコープを挿入し、のどから食道、胃、十二指腸までの上部消化管の粘膜の状態を観察できる検査です。疑わしい部分を直接観察できると同時に、組織を採取して病理検査をしたり、潰瘍の止血やピロリ菌の検査、胃にとりついたアニサキスの摘除など、検査・診断・治療を同時にできます。
胃カメラ検査が必要な方
健康診断で異常を指摘された、
精密検査が必要と言われた方
- 健康診断で「ピロリ菌陽性」と指摘された
- バリウム検査で「異常」を指摘された
- 胃がんリスク検診にひっかかった
- 過去にピロリ菌の除菌治療を受けた
- 採血の結果、胃がんの腫瘍マーカー(CA19-9やCA125の数値)が高かった
など
このような症状のある方
- 胃やみぞおちのあたりの痛み
- 胃がもたれる
- 食欲がわかない
- 胸やけがある
- 食べ物がつかえる感じがする、
食べ物が飲み込みにくい - げっぷが多い
- おなかが張っている
- 黒い便が出た
- 体重が減った
- 貧血がある(疲れやすい、身体がだるい、すぐ息が切れる、手足が冷える、めまいがある)
など
大腸カメラ検査とは
大腸カメラ検査は、正確には「下部消化管内視鏡検査」とも言い、肛門からスコープを挿入し、大腸全体の粘膜を隅々まで観察し、自覚症状の無い大腸ポリープや早期の大腸がんなどを発見できる唯一の検査です。多くの大腸ポリープは、それ自体は良性の腫瘍ですが、何年も放置してしまうことによって、一定の確率でがん化することがわかっており、これをあらかじめ切除しておくことで、将来のがん化の予防につながります。疑わしい部分を直接観察できると同時に、組織を採取して病理検査を行ったり、出血部位の止血やポリープの切除など、検査、診断、治療、予防を1回の検査で行うことができます。
大腸カメラ検査が必要な方
健康診断で異常を指摘された、
精密検査が必要と言われた方
- 健康診断で「便潜血陽性」と指摘された
- 採血の結果、大腸がんの腫瘍マーカー(CEAとCA19-9の数値)が高かった
など
このような症状のある方
- 腹痛や下腹部の違和感が続いている
- お腹の張りを感じる
- 体重が減った
- 血便が出た(便に血がまざっている)
- 下痢や便秘が続く
- 便が細くなった
など
症状がなくても
内視鏡検査が必要な方
- 今までピロリ菌検査を受けたことがない方
- 40歳以上の方で内視鏡検査を一度も受けたことがない方
- 家族や親戚に胃がん、大腸がん、大腸ポリープを発症した人がいる方
- 日常的に飲酒や喫煙をしている方
など
食道がん、胃がんなど、上部消化管のがん、大腸がんなど下部消化管のがんは、いずれも初期の段階では、ほとんど自覚症状がありません。また、少し進行して症状があらわれても軽いものであったりします。消化管のがんのほとんどは、近年の医学の進歩で早期に発見しさえすれば、あまり侵襲のない治療で完治を望めるようになっています。そのため健康診断で異常を指摘されたなどのサインを見逃さず、放置しないように、必ず受診してください。また最低でも年に1度程度は内視鏡検査を受けて、ご自身の消化管の状態をしっかりと確認するようにしましょう。
※ただし、胃腸の不調が続くなどの症状が無い場合、健康保険が適用されず自費診療となりますので、あらかじめご承知おきください。
腹部超音波(腹部エコー)検査について
腹部超音波(腹部エコー)検査とは、超音波を当てて腹部の臓器(肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、大血管)の状態を調べる画像検査です。当院の腹部エコー検査は、日本肝臓学会の専門医である女性医師が担当します。検査は横になり腹部にプローブと呼ばれる装置を当てて10~15分で終わるため、痛みや苦しみなどが全くなく、楽に受けられます。また、レントゲン検査やCT検査などと異なり、放射線被ばくの心配がないため、安全性の高い検査です。