TOPへTOPへ

女性の便秘

女性が便秘に
悩まされやすい理由

女性が便秘に悩まされやすい理由女性ホルモンのうちプロゲステロン(黄体ホルモン)は腸の活動を抑制する働きがあり、女性は男性に比べて便秘になりやすい傾向があります。その他に、腹筋など排便に使う筋肉の弱さ、食事量の少なさ、排便を我慢しやすいことなどが原因となります。

女性ホルモンの影響

女性ホルモンのうちプロゲステロン(黄体ホルモン)は、腸の蠕動運動を低下させる働きがあります。そのため、排卵後から月経前までのプロゲステロンが優位になる時期は便秘が多くなります。

筋力不足

男性に比べて女性は筋力が弱い傾向があります。排便に使う筋肉には腹筋、腸腰筋などがあり、これらの筋力が弱いことで、便秘になりやすくなります。

ダイエット

近年、ダイエットを気にする女性が増えています。適切なダイエットであれば問題ないのですが、過剰なダイエット、バランスの悪い食事などで便をしっかりつくることができなくなります。

水分不足

トイレに行くことを気にして水分を控えたりすることで、便が硬くなり出しにくくなります。

そもそも便秘とは?

排便習慣は人によって大きく異なります。個人差があるため、便秘の定義は難しいのですが、一般的には「3日以上排便が無い」もしくは「排便はあっても残便感がある」状態が便秘です。

便秘を放置してはいけない理由

便秘を放置してはいけない理由長く不要物が体の中に留まることで、腸内では腐敗や発酵が進み、ガスがたまって膨満感が起こるなどの不快な症状が出ます。発生したガスは腸で吸収されるか、おならになって排出されますが、腐敗菌によってできたガスには毒性があり、肌荒れの原因となったりします。また、循環が悪くなることから太りやすくなったり、腹部の不快感からイライラが募ったりなど、心にも身体にも良いことはありません。

便秘から病気につながることもあり、便秘治療に取り組むことが大切です。

免疫機能の低下

侵入してきた細菌などの外敵から身を守るため、腸には免疫細胞が集まっており、一般的に「腸管免疫」と呼ばれる防護システムを作り上げています。便秘があると、腸内環境が悪化するため、腸管免疫の機能が低下してしまい、感染症に罹りやすくなってしまいます。

糞便塞栓症

便秘で便が長い間、腸内に留まると、便はどんどん増えていきます。また、その間も水分が吸収され続けるため、どんどん便は硬くなって行きます。こうして排便できなくなってしまった状態が糞便塞栓症です。この状態になると、下剤や浣腸でも排便できなくなり、指で掻きだす必要があります。

いぼ痔・切れ痔

糞便塞栓症までいかなくても、硬くなった便を排泄することは、肛門に強い負担となってしまいます。それによって、肛門の静脈叢に負荷がかかり「いぼ痔(痔核)」を生じたり、排便時に肛門が切れてしまう「切れ痔(裂肛)」を生じたりしやすい状態になります。痔になると排便時に痛みや不快感を覚えるため、さらに便を出しにくくなって、どんどん悪化していくことも考えられます。

詳しくはこちら

便秘の原因チェック

コロコロした便が出る

ウサギの糞のようなコロコロとした小さな便が少量出る場合、腸管の活動が悪く、便が停滞してしまい、水分がどんどん吸収されてしまっている状態です。多くの場合、腸管のどこかで痙攣が起こっていて、その部分で蠕動運動が止まり、便が停滞してしまいます。ストレスによって自律神経が乱れているケースや、ダイエットなどで水分摂取が少なすぎることが原因として考えられます。

残便感がある

便は出ていても、どうも残っているようですっきりしないといった場合、排便のための筋力が低下していたり、排便習慣が乱れていたりすることがあります。加えて、大腸に何らかの器質的な病気(大腸がんなど)が隠れている可能性もあるため、症状が続くようでしたらお早めにご相談ください。

生理前や妊娠中に便秘になる

排卵から月経の始まる前までの期間や、妊娠が成立してから出産までの時期は、女性ホルモンのうちプロゲステロン(黄体ホルモン)が優位になります。プロゲステロンには腸管の蠕動運動を抑える働きがありますので、便秘になりやすくなります。さらに、妊娠中は子宮に腸が圧迫されることで便が滞留してしまったり、つわりで食事や水分の摂取量が減ってしまったりすることでも便秘が起こります。

ダイエットしている

極端なダイエットで、食事や水分の摂取量が総体的に減ってしまったり、偏ったダイエットで食物繊維が不足したりすることで、便秘になりやすくなります。

便秘の対処法

便秘を重症化させないためにも、生活習慣を見直してコントロールしていくことが大切です。

朝食を食べてトイレの時間を確保する

朝食を食べてトイレの時間を確保する食べたものが胃に入ったタイミングで、消化管に蠕動運動が起こり、便意が生じます。朝起きた時は、胃が空になっているため、朝食をしっかり摂ることで、消化管の運動が活発になりやすく、しばらくすると便意があらわれます。その時、我慢して出勤しなくてすむように、朝は余裕をもって早起きすることが大切です。

食物繊維をたくさん摂る

食物繊維の多い野菜などをしっかり摂ることで、腸内の細菌叢が整い、便の量が増えてしっかりした便をつくるために役立ちます。それによって、腸が刺激され、腸の動きを活発にします。さらに、糖質・脂質・塩分などを吸着する性質があるため、過剰な塩分や糖分、脂分などをためすぎない働きもあります。

適度に運動する

適度な運動によって、腸の働きは活性化されます。激しい運動は筋肉に疲労物質が溜まるため逆効果で、軽く汗ばむ程度の有酸素運動が効果的です。有酸素運動としてはジョギング、ウォーキング、ゆっくりと泳ぐスイミングなどがありますが、ウォーキングは特別な用意をせず始める事ができ、自律神経を整える働きもあるため、おすすめです。その他では、室内でできるストレッチやスクワットなどのレジスタンス運動、ヨガなども筋肉の緊張をほぐし、血行を促すことで便通を良くする効果があります。

便秘の検査

便秘を解消するために工夫してもなかなか改善しない場合、何らかの病気によって便秘が起こっているかもしれません。特に、腸に炎症や潰瘍、がんなど病気があって、便秘が起こっている場合を「器質性便秘」と言います。便秘と併せて、腹痛やお腹の張りが続く(腹部膨満感)、便に血が混じっているなどの症状がある場合は、できるだけ早く大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。

器質性便秘(狭窄性)とは?

器質性という言葉は医療分野では、消化管などの内臓に、炎症、びらん、潰瘍、ポリープ、がんなど、目に見える形の病変が起こっている状態を言う言葉です。つまり、器質性便秘は大腸に目に見える形の何らかの病変があって起こっているもので、巨大結腸などによって排便回数が極端に減少するケースや、瘢痕、癒着などによって腸管が狭窄し便の排出が困難になるケースなどがあります。

便秘の治療

便秘は人によって様々なタイプがあります。原因疾患があるもの、原因疾患が無い特発性のものなどに分けられ、それぞれで治療法も異なります。
原因疾患があるものに関しては、その疾患の治療を優先して行い、特発性の場合は生活習慣の改善などから取り組みます。
当院では、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本内科学会総合内科専門医の資格を持つ、女性医師が、便秘の原因を丁寧に特定し、適切な治療をしていますので、お困りの方は一度ご相談ください。