お尻から血?
何科に行けばいい?
- 生理でもないのに、トイレの水が赤く染まった!
- 拭いたペーパーに血がついた!
- 便に血が混ざっている…
お尻からの出血に気づいたとき、多くの方が「痔かも?」「ストレスのせい?」「大腸がんだったらどうしよう…」と不安になるかと思います。便に鮮やかな赤い血が混じっている場合は、肛門や直腸・大腸の出口付近から出血している可能性が高いと考えられます。(便が黒っぽく見える場合は、食道・胃・十二指腸など、より上部の消化管で出血している可能性があります。)
いずれも体からの大切なサインです。
自己判断で放置せず、気になる症状があるときはお早めに、「消化器内科」と「肛門科」のある当院までご相談ください。
当院では、女性医師がすべての診察を担当しております。お尻の診察に抵抗がある女性の方もご安心ください。
お尻から血が出るのはなぜ?
女性に多い原因とは
痔が原因の場合
お尻の出血でまず思い浮かぶのは、「痔」です。日本人の3人に1人は痔をもつといわれ、初期は自覚症状がなくても、進行すると血便やお尻の痛みが現れることがあります。特に女性は、ホルモンの変化(妊娠・出産・生理)や便秘、冷え、筋力低下、過度なダイエットなどが原因で、いぼ痔や切れ痔を起こしやすいとされています。
痔以外が原因の場合
ストレスそのものは、お尻からの出血を引き起こす直接的な原因ではありません。しかし、強いストレスが続くと「過敏性腸症候群(IBS)」が起こることがあります。過敏性腸症候群により便秘や下痢を繰り返すと、硬い便が肛門の粘膜を傷つけて出血する場合があります。
また、思春期から40歳頃までは、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)や若年性ポリープ、感染性腸炎などが原因になることがあります。40歳以降では、大腸ポリープや大腸がん、虚血性腸炎などが出血の原因になる可能性もあります。
お尻から血が出たときの症状
痛みがない場合
お尻から血が出ても痛みがない場合に最も多いのは、内痔核です。内痔核とは、歯状線の内側、つまり粘膜にできる痔のことを指します。
お尻から血が出て
お尻が痛い場合
お尻から血が出て痛みを伴う場合は、外痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)の割合が高くなります。痔ろうでも、出血とともに痛みが出ることがあります。
腹痛を伴う場合
腹痛を伴う場合には、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)や虚血性腸炎などが考えられます。胃がんや十二指腸がん、胃・十二指腸潰瘍でも、みぞおちや胃のあたりに痛みが生じることがあります。
お尻からの出血があるときは、症状の有無や痛みの程度にかかわらず、早めに医療機関で相談することが大切です。
お尻から血が出るときに
考えられる病気
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
潰瘍性大腸炎では、大腸粘膜にびらんや潰瘍ができ、激しい腹痛と血便・粘血便が現れます。クローン病は大腸や小腸だけでなく、消化管のどこにでもびらんや潰瘍が発生する病気です。腹痛、下痢、発熱、倦怠感に加え、血便や粘血便が認められることがあります。
虚血性大腸炎
大腸に血液を送る動脈の血流が障害され、大腸粘膜に潰瘍が生じる病気です。典型的には、左下腹部の痛みが先に現れ、その後下痢や血便が生じます。血だけが出ることもあります。生活習慣病に伴う動脈硬化が背景にあることが多く、排便時に強くいきむ習慣もリスクを高めるといわれています。
大腸憩室症
食生活の欧米化や肥満、NSAIDsの副作用などで、大腸の一部が外側に向かって小さな部屋のように飛び出す病気です。憩室で炎症や出血が起こると、腹痛、発熱、吐き気や嘔吐に加え、血便や貧血が生じることがあります。
大腸がん・大腸ポリープ
どちらも初期には自覚症状がほとんどありません。しかし、大きくなると便と擦れることで出血することがあります。大腸がんの多くは、ポリープががん化して発生します。そのため、ポリープの段階で切除しておくことが大腸がんの予防につながります。当院では、内視鏡を用いた大腸ポリープの日帰り切除にも対応しています。
お尻から血が出るときの検査
肛門鏡検査
肛門内は通常、肛門括約筋によって閉じています。そのため、内部の様子を確認するには「肛門鏡」という器具を使って肛門を観察します。出血の量や性状をチェックすることで、どのような疾患の可能性があるかをおおよそ判断できます。当院では、女性医師が対応していますので、診察に抵抗がある女性の患者様も安心して受診いただけます。また、痔の専門的な治療(手術)が必要な場合は、連携している医療機関へご紹介します。