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健診の異常(バリウム検査でひっかかった)

胃バリウム検査で
ひっかかってしまった方

胃バリウム検査でひっかかってしまった方会社の定期健康診断や自治体が行う胃がん検診などでは、胃バリウム検査(上部消化管造影検査)が行われています。胃バリウム検査で、要精密検査(異常あり)と指摘された場合、食道裂孔ヘルニアや、慢性胃炎、萎縮性胃炎、ポリープ、胃がん、十二指腸がんなど、口から十二指腸までの消化管に何らかの異常が起こっている可能性があります。
特に、胃がんや食道がんは、初期にはほとんど自覚症状が無い病気です。「今困っていることはないし…忙しいから落ち着いてからにしよう」と検査を先延ばしにしたり、「若いから大丈夫だろう」と思って放置してしまうと、がんだった場合は若いからこそ早く進行してしまうこともあります。がんは怖い病気ですが、早期のうちに発見して治療を開始すれば、現在は簡単な治療で完治が望めるようになっています。健診の胃バリウム検査で異常を指摘された方は、当院までご相談ください。

胃バリウム検査について

胃バリウム検査について胃バリウム検査は、検査前にバリウムという白い液体と、発泡剤を服用し、消化管を膨らませて食道、胃、十二指腸をレントゲンで観察する検査です。
バリウムはレントゲンを吸収する性質のある鉱物(重晶石)を細かく砕き、飲みやすいように工夫したものです。胃カメラ検査より手軽かつ低コストでできるため、健康診断などで広く採用されています。ただし、腫瘍やポリープなど粘膜の変化については、確定診断が難しく、存在が疑われるところまでしか確認できません。そのため、異常を指摘された場合には精密検査が必須となります。

胃バリウム検査での代表的な所見

透亮像

透亮像(とうりょうぞう)とは、バリウムの流れがより盛り上がった部分です。この所見では、ポリープや気泡が疑われます。

胃粘膜不整
(胃小区の乱れ)

胃小区とは、胃の粘膜の一番小さな単位のことで、この部分にザラザラとした凹凸ができているのが胃粘膜不整です。この所見では、ピロリ菌感染による萎縮性胃炎、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどが疑われます。

萎縮性胃炎

健康な胃粘膜はヒダ状になっていますが、慢性的な胃炎によって、粘膜が萎縮しヒダが無くなって平らになってしまった状態です。この所見は、ピロリ菌感染を長期間放置した場合によく見られます。

ヒダ集中

胃粘膜の傷(潰瘍や潰瘍瘢痕)に向かって、胃粘膜のヒダが集まっている様子をヒダ集中と言います。多くの場合潰瘍瘢痕(潰瘍ができた部分に残る痕)ですが、胃がんによってもこのような状態となることがあります。

ヒダの粗大(腫大)

粘膜にあるヒダが浮腫んで、太くザラザラとした状態になっていることです。この所見は、慢性胃炎や胃がんなどの疑いがあります。

粘膜下腫瘍

通常、胃がんやポリープなどは粘膜層に発症しますが、ごく稀に粘膜層より深い粘膜下層や筋層などに腫瘍ができることがあります。これを粘膜下腫瘍と言い、良性のものと悪性のものがあります。状態によって経過観察や要治療となりますが、経過観察の場合は定期的に胃バリウム検査や胃カメラ検査を受診することが大切です。

胃バリウム検査と
胃カメラの違い

胃バリウム検査や胃カメラ検査は、食道から胃、十二指腸と続く上部消化管の内部の状態を調べるための検査です。両検査ともにメリット、デメリットがあり、また確認できることも異なります。大まかに言えば、胃カメラ検査は確定診断ができますが、胃バリウム検査はスキルス胃がんを見つけやすいというメリットがあります。両者の違いを知り、必要な時に必要な検査を受けることが大切です。

胃バリウム検査

バリウムと消化管を膨らませる発泡剤を飲んで、食道から胃、十二指腸へとバリウムが流れていく間、レントゲンで観察する検査です。

メリット

  • コストが安価
  • 胃の粘膜ばかりではなく、形状などの全体像を観察できる
  • スキルス胃がんを発見しやすい

デメリット

  • 早期のがんは発見しにくい
  • 近年被ばく量は最小限に留まっているとはいえ、多少の被ばくがある
  • バリウムや発泡剤を飲んだ後、げっぷを我慢しながら指示通りに動く必要がある
  • 一部の病気は確定診断に胃カメラ検査が必要となる
  • 検査後、バリウムを排出するために下剤を飲まなくてはならない
  • 胃液が多いと検査精度が低下する

胃カメラ検査

口や鼻からカメラのついたスコープを挿入し、食道、胃、十二指腸までの粘膜の状態を直接観察する検査です。

メリット

  • がんなど粘膜の病変を早期のうちに発見しやすい
  • 検査中に疑わしい部分を見つけた時は、組織を採取して確定診断が可能(病理検査)
  • 検査中に出血を見つけた時は、止血処置が可能
  • レントゲンのような被ばくが無い

デメリット

  • スコープ挿入時に嘔吐反射などの辛さがある(特に経口胃カメラ検査の場合)

※当院では、鎮静剤を使った胃カメラ検査に対応しています。また、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医の資格を持つ女性医師が最新鋭の内視鏡システムを駆使して、検査を行っております。検査を受けるのに抵抗がある方も一度ご相談ください。